2025.12.17

コラム

【FHSコラム】日本の高性能住宅は、なぜ欧米各国と比べて遅れてる?

日本全国に高性能住宅を普及させ、住む人と建てる人の両方をサポートする。そんな想いで私たちは日々の業務に向き合っております。
その背景にあるそもそもの問題が、日本の住宅性能が欧米各国と比べて圧倒的に遅れているということ。このコラムではその理由をFHSの観点から紐解いていきましょう。

歴史的な背景に理由があった?

まず大きなポイントとして挙げられるのが、日本はかつて戦争によって多くの地域が焼け野原になったという事実です。
これはヨーロッパ諸国などとは大きく違う点で、安くていいので、とにかく大量の家をつくる必要に迫られたという歴史的な背景が関係しています。

焼け野原となった東京の様子。ここから早急に膨大な数の家が建てられていきました(画像はWikipedia より)

当時は夏の暑さが原因で亡くなる事例も多く見られ、家をつくる上では「冬の寒さをいかにしのぐか」よりも「夏の暑さをいかにしのぐか」が重要だと考えられていました。したがって「風通しの良い家」こそが「いい家」と考えられ、「高気密」「断熱」といった概念は大切にされず、そこから長きにわたって中途半端に実施されるものとして扱われていきます。

さらに遡ると、かの徒然草においても「家の作りやうは、夏を旨とすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、耐え難き事なり。」という一節があります。
つまり日本では1000年以上も前から「冬の寒さは我慢できるので、夏の暑さにこそ意識して家を建てなさい」という教えがあったようです。国民性としての“辛抱強さ”が、ある種の美徳として尊ばれ、文化として根付いてきたということもあるかもしれません。

兼好法師が徒然草を書いたのは1330年代。その頃から日本人の敵は「夏の暑さ」だったようです(画像はWikipedia より)

時代は移り変わり、現代へ

そこから長い歳月が過ぎ、エアコンが発達するにつれて夏の暑さは解消されていき、現在ではむしろ冬の寒さの方が問題視されるようになりました。
超高齢社会の訪れに伴い、ヒートショック現象に関するニュースもあとを絶ちません。

兼好法師の時代とは打って変わって、現代において意識すべきは「夏の暑さ」よりも「冬の寒さ」。そのために私たちが推奨している「高性能住宅」は非常に有効な手立てとなります。もちろん夏の暑さに対しても、エアコン代を抑えることができて、とても経済的です。

FHSのモデルハウスの冬の気温を示したグラフ。エアコンにかかる電気代は1日わずか20円。

全国の工務店やハウスメーカー、建材メーカーの皆さん、ぜひ日本中に国が定める基準を超える性能の家づくりを広め、日本の住宅を一歩先へと進めていきましょう。

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